
英語が話せてよかったこと(電車・アムトラック編)
英語が話せてよかったと感じる場面は、
何も華やかな場所ばかりではありません。
あるとき、
ニューヨークからボストンへ向かうアムトラックの列車に乗っていたときのことです。
当時、私は
ニューロンドンという街で勉強していた時期があり、
本来は途中の駅で下車しなければなりませんでした。
ところが、
うっかり 直行列車に乗ってしまったのです。
途中で気づいたときには、
すでに列車は走行中。
しかも直行列車なので、当然、途中では停まりません。
「これは困った」と思いながら、
私は車掌さんに状況を説明しました。
焦っていたわけでもなく、
強く主張したわけでもありません。
ただ、
自分がどこへ行きたかったのか、
なぜ間違えてしまったのかを、
落ち着いて英語で伝えました。
すると車掌さんは、
少し考えたあと、こう言いました。
「大丈夫ですよ」
「荷物を下ろすときに、一緒に降ろしてあげます」
正直、耳を疑いました。
通常、
列車が荷物を下ろすために一時的に停まっても、
人は降りません。
それでもその日は、
私だけが特別に降ろしてもらったのです。
無事にホームに立ったとき、
「助かった」という気持ちと同時に、
なんだかとても幸せだなと感じました。
なぜなら、
もし私がきちんと英語で説明できなかったら、
この状況はどうなっていたのだろう、
と自然に思ったからです。
英語が話せたから、
奇跡が起きたわけではありません。
けれど、
-
状況を正確に伝えられたこと
-
相手に安心感を与えられたこと
-
無理なお願いに聞こえなかったこと
それらが重なって、
「特別な対応」につながったのだと思います。
海外では、
英語は単なるコミュニケーション手段ではありません。
自分の立場を守り、
状況を穏やかに解決するための力でもあります。
このときほど、
「英語が話せていてよかった」と思ったことはありませんでした。
英検準1級レベルの英語は、
確かに合格するだけなら、そこまで難しくはありません。
けれど、
その英語が 人生の思いがけない場面で役に立つかどうかは、
どのような英語を身につけてきたかで決まります。
私はこの出来事を、
今でもよく思い出します。
アムトラック(Amtrak)とは
アムトラック(Amtrak)は、
アメリカ全土を結ぶ長距離・都市間旅客鉄道です。
ニューヨーク、ボストン、ワシントンD.C.などの主要都市をはじめ、
全米40以上の州を結んで運行しています。
特に北東部(ニューヨーク〜ボストン間など)では、
ビジネス・留学・研究者の移動手段として広く利用されており、
飛行機よりも落ち着いた移動ができる交通機関として知られています。
車内は比較的静かで、
読書や仕事をしながら移動できるのも特徴の一つです。
「英検準1級は通過点」
「これは特別な人の話ではありません。
言葉の選び方を知っているかどうか、ただそれだけです。」

